大泉寺 和尚の終活よろず話

和尚の終活よろず話

終活とは“自身の「死」を見据えて、この時しかない「今」をしっかり輝かせて生きて行こう!”という活動です。
今の貴方を輝かせる終活にお役に立てればと思い、和尚の経験からアドバイスいたします。

葬儀関連について・・・

1,葬儀費用

以前は葬儀に関する生前の話は「縁起でもない!」とタブーとされましたが、今は違います。葬祭業者様もホームページなどで様々なプランを案内しております。一般葬・家族葬・一日葬などどのくらい費用が掛るか調べておくと良いかもしれません。出来ればインターネットや電話での情報問い合わせでなく実際に業者にいって具体的な生前見積もりを出してもらうことをお勧めします。葬儀費用の生前見積もりは当たり前になりましたので業者様も気軽に相談に応じてくれますし、地元の業者様であれば長い付合いにもなりますので丁寧に説明してもらえます。

重要なアドバイスとして・・・ テレビでよく葬儀に関するコマーシャル「生○るお葬式」とか「小○なお葬式」を見ることがありますが、特に「小○なお葬式」は「小○なお葬式=安いお葬式」とはうたっておりません。映像によるイメージ戦略に惑わされないよう注意が必要です。(詳しく知りたい方は和尚にお訊ねください)

2,お布施等

葬儀に関するお布施や戒名料などはインターネット上で寺院や業者などが金額をうたっておりますが、住んでいる地域や寺院によって様々です。葬儀など仏事をお願いしようと思っている寺院があれば、今の時代金額など訊ねることは問題ないと思います。

※ちなみに「小○なお葬式」で葬儀の僧侶の派遣をお願いした場合、「通夜・葬儀お布施・戒名料・お車料込みで16万円」とうたっておりますが、大泉寺ではそんなにはいただきません。そもそも葬儀は故人に対する想いを僧侶(導師)が遺族に代わって仏様へと導いて行くことです。お布施はそれぞれの家庭事情において金額が異なることは当然あります。一般葬で行うのか、通夜なしで、一日葬で行うのか、個々の事情に寄り添いますので、お気軽にご相談ください。

埋葬場所について・・・

日本では最期には火葬され骨になります。さて最期の終の棲家をどうするか?多様な埋葬方法がある今日。埋葬に関しては自分だけの考えではなく、将来遺族となる子ども達や親族の意見も尊重して決めてもらうようアドバイスしております。なぜなら次のような事例があるからです。

故人の遺言で「骨を海にまいてくれ!」と海洋散骨を希望された方のご遺族が相談に来られました。「故人の遺言だけど、本人は特に海が好きだった分けでもなく、海に撒くのはとても抵抗がある。第一、海に撒いたらどこにお参りに行けば良いのか?海ですか?何か良い方法はありますか?」という相談です。多くの遺族は頻繁ではないにしろ故人の墓参りをしたいと思っています。また人は人生に悩んだり迷ったりしたとき、ふとご先祖様や故人に“逢いたい!”と思うこともあります。そのためにお参りに行く場所、逢いに行く場所が必要なのです。よほど海好きの人物でない限り、具体的に逢いに行く場所が“海”とはならないものなのです。和尚としては故人の遺言も大事だけれども、一番大切なことは“今”を生きている遺族の皆さんが、故人をどう供養したいかという気持ちを大切にすることだと思います。どうしても海洋散骨をされる際は、全部を海に撒くのではなく、骨のほんの一部を遺しておいて遺族がいつでも故人に逢えるよう“手元供養(てもとくよう)”出来るようにお勧めしております。或いは骨の一部を海に還し、遺りを遺族が納得の行く方法で埋葬することも良いかと思います。

海洋散骨は骨を自然に還すことですが、樹木葬も自然に近い状態で埋葬出来る方法です。 樹木葬はシンボルツリーやプレートが墓標代わりとなり、経費的にも抑えることが出来る埋葬方法ですので、墓地の承継者に不安のある方にはお勧めしております。

その他、承継者に負担が及ばないタイプの永代供養墓や納骨堂も増えて参りましたし、自分自身が亡くなった後、法事などの供養を遺族親族がいなくても寺院が代わりに行う永代供養もございます。

「今を生きる」貴方へ・・・貴方の存在が誰かの幸せに結びつく生き方を!

自分自身の最期の迎え方・終の棲家も決まったら、遺された人生を貴方はどう生きますか? せっかく先祖から受け継いだ命を誰かの幸せのため、最期一踏ん張り生かしてみませんか?なにも難しいことではありません。

まずは“笑顔で毎日過ごすこと!”貴方の笑顔一つで周りの雰囲気が変わります。まずは家族にご近所さんに友人に笑顔で接してみてください。

次に“率先してお手伝い!”貴方のちょっとした手伝いが相手を喜ばせることに繋がります。例えば沢山荷物を持っている人に手を差し伸べることなど、「手伝ってやった」などとは思わず見返りも求めず「手伝いをさせて頂く」という謙虚な気持ちで行って見てください。

最後に“いつも慈悲の言葉をかける!” 「ありがとう。お疲れ様。頑張って。」何気ない貴方の一言で人を救うことが出来ます。

常日頃から「笑顔を絶やさず、奉仕の気持ちを忘れず、思い遣りの言葉をかける」こと。これを実践されている人はいつお会いしてもこちらが気持ちよくなるものです。たまに「あの人は仏様のような人だ!」ということを耳にすることがあります。

そう終活とは、遺された人生を誰かの幸せのために“今を生きる自分がまさに仏様のような生き方を目指す”ことが終活なのだと和尚は思います。

合掌